こんにちは。ニコ・ドライブWEB店/店長の東方です。
体験運転サービスを開始してもうすぐ1年になりますが、これまで30人以上のお客様にご利用頂きました。ベテランドライバーから、免許を取って1年経たないくらいの若い方まで、様々なお客様にお越し頂いております。
お越し頂く皆様、当然ながら、住んでらっしゃる地域がさまざまなのですが、共通して仰ることがひとつあります。それは「情報が少ない」の一言。
手動運転装置というものは、iPhoneやコカ・コーラといったほぼすべての人が知っているようなものではありません。手動装置というものをご存じないところに「今日から手でアクセル・ブレーキしてください」と言われても、それってどうしたらいいのでしょう、と戸惑いのお電話を頂くのも頷ける話です。そこで、私が対応させて頂いたお客様の記録をブログにしようと思い立ちました。参考にしていただければ幸いです。
今回ご紹介するのは、山梨県にある整形外科病院にお勤めの作業療法士、I様です。
下垂足と診断された人は運転を諦めてしまいがちです…
自動車の運転を諦めなくて済む可能性を紹介できる
今年の9月は雨が多かったような記憶がありますが、そんな時期にお電話を頂きました。
「体験運転に行きたいのですが、日曜日はやってますか?」
女性の声でしたので、慎重に、お身体の状況はどのような感じでしょうか、例えば何番の脊髄損傷で、など(お客様のお身体のことを伺うのはいつも気を使います)と、質問しました。
すると、「実は作業療法士です。患者さんから自動車の運転をどうしたらいいかと相談があって、どんな装置があるかを調べていたら、ニコドライブさんが見つかったんです」とのことでした。
連休の最終日に予約を承りました。当日、駐車場まで迎えに上がったところ、車内に元気な男の子が2人。そして、運転してお越しになった旦那さんも、なんと作業療法士、ということで、ご一家でお越しくださいました。
一通り資料をお渡しして説明し、また、病院で様々な患者さんへご案内できるように弊社以外の運転補助装置の資料も渡して、いざ体験運転へご案内。1周目は私の運転を御覧いただき、2周めにIさん、3週目に旦那さん、ということで、交代しながら運転を行いました。
Iさん「慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、一度こういうものだと思えば、使えそうですね」
東方「病院の患者さんの場合、今まで足で運転していた人が、手でアクセル・ブレーキに切り替えることになりますが、どちらかというと片手運転の戸惑いが大きいと思います。」
Iさん「確かにそうですね、左手は離せないので、ハンドルを大きくまわすとき、いつもよりすばやくまわす感じですね」
Iさん「(信号手前でぐっとブレーキを踏み)すみません、ちょっと気持ち押し込むだけで、急ブレーキみたいになるんですね」
東方「速度が出ているときにブレーキを踏んで安全に止まるには、1度に押し切らず、何回かにわけて細かくブレーキをかけていただくようお勧めしております、」
東方「すでに手動装置を利用しているお客様からは、ブレーキの感触が良い、ブレーキが良く効く、と伺うんですが、基本的にはお車のクセというか性能だとは思います。」
旦那さん「こういう装置って、身体の左側にレバー?が出てくるイメージがあったんですが、ニコドライブさんのは、身体の真ん中ですね、何か意味があるんですか」
東方「ブレーキをまっすぐ押せるようにしている装置の構造上、真ん中に出てくるかたちです。装置に身体を預ける必要がないので、シートにしっかり座ってもらうことで、体幹の保持が難しい方にも使いやすいと考えております」
旦那さん「ホームページの写真で見て、左右に操作することでアクセル、ブレーキするものだと思ってました。グラグラするのではないかと思ってましたが、押し引きなんであんまり関係なさそうですね。」
東方「運転中は押し引きの前後動作になりますので、左右に動かすことはほぼないですね。左右に動くことで、アクセル、ブレーキができなくなる、ということもないです。」
「自動車への大掛かりな施工がいらず、明日にも使える。このような装置の情報を伝えてあげられたらと思う患者さんは結構いますね。」
手でアクセルとブレーキをするようにとってこういう感覚なんですね、と実感をして頂けました。装置を取り外し、お見送りしました。
せっかくこちらにお越しになったのでこのあとどこか行かれるんですか、と伺ったところ「横浜の中華街ってどうでしょうか、混んでますかね」と、話が盛り上がりました。
後日、お勤めの病院よりご連絡を頂き、デモンストレーションに伺うことになりました。弊社の代表神村がお伺いし、説明をいたしました。
自動車が必需品の地域では、運転できなくなることが引きこもりに繋がってしまう
山梨県では下肢障害と自動車の運転について詳しい専門家が不足しており、結果、患者さんに情報が行き渡りにくくなっているそうです。公共交通機関が整っている東京都心と異なり、生活に自動車が必須のエリア。「これから運転再開の支援をしなければという意識はあるのですが、なにぶん情報が少なくて」と病院でもお悩みをお持ちだったそうです。
病院では、その方の病気や症状の進行を見て、足の可動域や機能によって自動車の運転を止める診断する場合があるそうです。
その上で、運転免許センターで「手でアクセル・ブレーキをする条件」が免許につくことで、もう自動車乗れないねと諦めてしまうご家庭がほとんどだと伺いました。
自動車の運転を諦めてしまう結果、家に引きこもりになってしまう、とも仰っていました。
もともと足で運転できていた人が、怪我や疾患で下肢に不自由が生じ、車が使えなくなることでひきこもり…。そういった方には、このような方法もあるのだよ、と手動運転補助装置の存在を伝えて頂ける体制が様々な場所に整っていると、患者さんのその後の生活向上に役立つのではないか、と実感を致しました。
少しずつではありますが、ハンドコントロールをお持ち頂いて受け入れてくださる教習所も増えてまいりました。病院、教習所、弊社と、まだ点で存在しているだけですので、これからいかに連携していける、患者さんが情報に接し、ハンドコントロールを試して使えるようになる環境を整えられるかが、私どもの課題になっていきそうです。
また、弊社製品を納めさせて頂いた各自動車教習所でも、ペーパードライバー講習でハンドコントロールがご利用頂けるようになっております。教習所のコース内でハンドコントロールの運転を教習して頂けますので、退院後、運転が久しぶりというかた方によろしいかと存じます。料金等詳細は、各教習所へお問い合わせください。
全5回でお送りした体験運転記、最後までお読みいただきありがとうございました。
体験運転は、弊社にて実施中です。弊社近郊にお住まいで、一度装置を見てみたいという方はお気軽にお申込みください。
また、次回のブログでお会いしましょう。ありがとうございました。
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